サステナビリティ

アステラスの強みとケイパビリティを活かしてサステナビリティな社会を実現する

アイコンと一緒に描かれた都市の風景は、アステラスが社会のサステナビリティ向上をどのように目指しているかを表しています。

アステラスは、経営計画2021(CSP2021)の戦略目標4で示した通り、「サステナビリティ向上の取り組みを強化」することに全力を尽くしています。コアビジネスを通じて社会に貢献し、社会と企業のサステナビリティを高める、ポジティブなサイクルを創出することに重点を置いています。当社は、サステナビリティへの取り組みを導く、最重要課題および環境課題を複数特定しています。

保健医療へのアクセス向上

当社は、製品の入手可能性を高め、外部パートナーと協力することで、保健医療へのアクセス向上を最優先事項とします。

 

その成果は下記の通りです。

  • 約11,000人の患者さんが多様な医薬品アクセスプログラムを通じて治療を受けました
  • アステラスグローバルヘルス財団(AGHF)のヘルスケアプログラムを通じて、3,190万人以上の人々の健康に影響を与えています。

環境への取り組み

当社は、地球環境の保全に主体的に行動するとともに、その取り組みの詳細を共有しています。

 

下記の取り組みを推進しています。

  • パリ協定の1.5°C目標に沿った温室効果ガス排出量の削減
  • 水資源の有効活用
  • 廃棄物管理の改善へのアクセスを通じて、多くの人の生活に影響を与えています。

私たちは社会とアステラスの双方にとって持続可能な未来の実現に尽力しています。 アステラスのサステナビリティへの取り組みの評価として以下のような実績があります。

FTSE4Good Indexに14年連続で選定

Forbes Japanの自然資本・脱炭素経営ランキングで1位にランクイン

日本国内の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が採用するすべてのESG投資指数の構成銘柄に属する

Vision

アステラス代表取締役社長CEOの岡村直樹は、分子生物学のバックグラウンドを持ち、約40年にわたり製薬業界で深い経験を積んできました。

「本業を通じて社会とアステラスのサステナビリティ向上の好循環を目指す」

岡村 直樹

代表取締役社長CEO

昨今、環境や経済の急激な変化により、社会の持続可能性(サステナビリティ)に対するステークホルダーの関心は益々高まっています。企業には事業を通じた前向きかつ積極的な社会貢献が期待されています。ヘルスケア分野においては、満たされない医療ニーズの高い疾患領域に社会からの要請がシフトし、次世代のモダリティ(治療手段)やデジタル技術の応用による革新的なヘルスケアソリューションが待ち望まれています。

 

アステラスは、「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの『価値』に変える」をVISIONに掲げ、革新的な新薬を始めとする様々なヘルスケアソリューションの創出により、患者さんの医療へのアクセスおよびアウトカム(成果や状況)の向上を目指しています。

アステラスが事業を通じて社会課題に取り組むことで、ステークホルダーから信頼され、アステラス自身の持続可能性が向上し、社会の持続可能性に一層貢献するという好循環が生まれます。それがアステラスの使命である "持続可能な企業価値の向上" の実現につながると考えています。

 

また、社会からの要請が高い、気候変動対策やその他の環境問題に対する取り組みを推進することで社会的責任を果たしていきます。

 

アステラスは、経営計画2021の戦略目標の一つとして「サステナビリティ向上の取り組み強化」を設定しており、サステナビリティを意識した経営を行っています。サステナビリティ活動を実施する上で指針となる「マテリアリティ・マトリックス」を作成し、社会とアステラスにとっての重要性の観点から、19の重要課題を特定しています。


その内、優先度の高い9つの最重要課題(マテリアリティ)を中心に全社一丸となって取り組みを行っています。

 

このような私たちのサステナビリティ向上への取り組みは、2つの観点で企業価値向上に繋がると考えています。

アステラスのサステナビリティストーリー

最先端の「価値」駆動型ライフサイエンス・イノベーターへの変革

社会には、有効な治療法が存在しない、もしくは既存の治療法では満足な結果が得られない病気に苦しむ患者さんやそのご家族がいらっしゃいます。アステラスは、単に疾患の症状を緩和する対症療法ではなく、細胞医療や遺伝子治療によって、疾患の根本的な原因に直接働きかけるといった新たな治療手段を提供する、革新的なヘルスケアソリューションの創出を追求しています。対症療法では、通院や入院によって患者さんご本人が負担を強いられるだけではなく、ご家族の看護や介護の負担も増えます。社会的、経済的損失は決して小さくありません。アステラスは、革新的な治療手段の創出に積極的に取り組むことにより、患者さんとそのご家族を長年の治療と介護から解放するとともに、わずかな治療回数により症状を大きく改善し、その結果、患者さんが普段の生活に早期に戻ることによって、地域のヘルスケアシステム全体の負荷を減らすことを目指します。

 

このように社会に大きな「価値」を生み出し、届けるための最たる原動力の一つが、イノベーションを生み出す組織文化であると考えています。アステラスの組織文化の醸成を図るとともに、イノベーション創出に寄与する人材の獲得・育成を通じて持続的な価値創造を実現し、アステラスが創出した「価値」を必要とする患者さんに広く届き渡るよう努め続けます。また、革新的な治療手段をはじめとするイノベーションを持続的に創出するためには、イノベーションに対する適切な価格設定が必要になります。アステラスは、患者さんやそのご家族、患者さんの健康を支える医療従事者を含めた社会に与える影響が、公正に価格へ反映されるための環境や仕組み作りにも取り組みます。

社会の期待に応える強靭かつ持続可能な事業活動の強化

私たちは、グローバルスタンダートで優れた品質の製品を製造し、安全性の高い製品を患者さんへ届け続けます。どのような状況であっても私たちの製品を安定的に患者さんへ届けることは私たちの使命です。調達・製造・流通に携わるすべての人々の人権や安全の保護を確保しつつ、サプライチェーン全体において外部環境の変化に柔軟に対応できる管理体制を構築していきます。加えて、その製品が患者さんに正しく適正に使用いただくための情報提供活動を継続します。常に病気で困っている患者さんやそのご家族を想い、患者さんにとって最適なヘルスケアソリューションは何か、アステラスの製品が患者さんに貢献できることは何かを考え、倫理的に活動を続けていく事で社会からの信頼を醸成していきます。情報提供活動のみならず、すべての事業活動において法令遵守と高い倫理観で活動を行い、公正な経営判断・運営を確実なものにするためのガバナンス体制を強化して、社会のサステナビリティに応えていきます。

サステナビリティと推進体制

社会のサステナビリティ向上への貢献は、アステラスのサステナビリティ向上に極めて重要である

私たちの使命を果たす、アステラスのサステナビリティ

アステラスは社会のサステナビリティの向上に貢献していくことが、事業を継続していく上で極めて重要であると考えます。具体的には、アンメットメディカルニーズ(満たされない医療ニーズ)に応えるヘルスケアソリューションを提供することや、事業活動において製薬会社としての社会的責任を果たすことにより、アステラスは社会のサステナビリティの向上に貢献しています。その結果、自社や自社の製品等に対する社会からの信頼が得られ、アステラスのサステナビリティを向上させると考えています。

 

このような好循環を生み出すことは、アステラスの存在意義である「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを通じた「企業価値の持続的向上」という私たちの使命を果たすことにつながります。すなわち、アステラスにとって、社会のサステナビリティの向上に貢献することは、経営理念の実践そのものです。

 

そのような考えのもとに行っている活動は、社外から高く評価されています。

 

一例として、アステラスは、投資の代表的指数の一つである「FTSE4Good Index Series」の構成銘柄に12年連続で選定されているほか、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が採用するすべてのESG投資指数 (「FTSE Blossom Japan Index」「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数」)の構成銘柄にも選定されています。

サステナビリティと推進体制

「価値創造」と「価値保全」の2つに取り組む

アステラスが取り組むサステナビリティには、「価値創造」と「価値保全」の2つの側面があります。

アステラスが事業活動を通じて、アンメットメディカルニーズ(満たされない医療ニーズ)という社会課題を解決することや、ステークホルダーの皆さまへの還元を行うことで、社会にとっての価値を創造しています。

 

一方、事業活動を通じて得た利益の再投資によって、アステラスは研究開発力を強化しています。また、各国政府、ビジネスパートナーから信頼を得ることで、新たな事業機会を生み出しています。すなわち、アステラスにとっての価値が創造されます。

アステラスは、環境負荷の低減、生物多様性の保全、コンプライアンスの徹底、腐敗防止などに取り組んでいます。これらの活動は、社会的価値に加え、レピュテーションリスクの軽減、企業ブランドの向上にも寄与し、企業価値を保全することにつながります。

value protection

サステナビリティ向上のためのガバナンス

コーポレートガバナンス体制に基づき、アステラスのサステナビリティに関する重要事項は代表取締役社長CEOが議長を務めるエクゼクティブ・コミッティ*1にて協議し、取締役会にて承認します。

 

また、サステナビリティの年度活動実績ならびに次年度活動計画は、業務執行の監督機能を果たす取締役会へ報告しています。長期的・戦略的かつ全社的な視点から各部門によるサステナビリティ向上のための活動を推進するため、推進体制としてサステナビリティ コミッティと 「環境・社会・ガバナンスワーキンググループ(E・S・Gワーキンググループ)」 を設置しています。

 

※1 アステラス製薬およびグループ会社における経営戦略、製品戦略、経営管理、人事等に関する重要事項を協議する機関

サステナビリティ コミッティでは機会やリスクを含め、業務執行に関わるアステラスの重要なサステナビリティ事項に関しての協議を行います。専門的かつ実行性を伴った議論を行うために、部門横断でファンクショナルユニット*2長レベルのメンバーで構成された組織であり、委員長およびメンバーは経営戦略担当役員(CStO:Chief Strategy Officer)によって任命されます。

*2 各トップマネジメントに直接レポートするビジ ネス遂行のための組織

E・S・Gワーキンググループは、案件ごとに部門横断のメンバーで構成され、外部の環境変化や各種原則・ガイドラインを参考にしながら、アステラスの環境・社会・ガバナンスの取り組むべき課題や機会の特定を行います。

また、関連部門と改善計画の立案と目標の設定、取り組みの進捗確認を実施します。

サステナビリティ コミッティを主管するファンクショナルユニットとしてE・S・Gワーキンググループの事務局業務を含めたグループ全体のサステナビリティ課題に対応し、活動全体を管理します。また、コミュニケーション機能と協働しながら社内外へアステラスのサステナビリティ活動を展開しています。

変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えるというアステラスのVISIONに結びつく戦略を示した図です。

重要課題とマテリアリティ

変化する社会に柔軟に対応し、アステラスならではの観点で課題に挑む

アステラスのサステナビリティ向上の取り組みは、企業価値を持続的に向上させることに繋がっています。社会および事業を取り巻く環境が著しく変化するなか、私たちは社会とアステラスの双方にとって重要な課題を特定し、優先順位を付け、サステナビリティの取り組みの羅針盤となるマテリアリティ・マトリックスを2021年度に改定しました。

 

新たなマテリアリティ・マトリックスでは、19の重要課題を選定し、うち9つを最重要課題(マテリアリティ)としました。このマテリアリティに最優先に取り組み、最先端の「価値」駆動型ライフサイエンス・イノベーターへの変革」、および「社会の期待に応える強靭で持続可能な事業活動の強化」を推進することで、社会とアステラス、双方のサステナビリティの向上を目指します。

マテリアリティ・マトリックス

Materiality Matrix

重要課題の特定プロセス

SDGsや各種フレームワーク(国際統合報告フレームワーク、SASBスタンダード、GRIスタンダード、ISO26000、グローバル・コンパクトの10原則、TCFD提言)、ステークホルダーとのコミュニケーション、ESG調査の評価項目などを参考に、アステラスが取り組むべき重要課題を特定しています。

 

2021年度のマテリアリティ・マトリックスの更新では、前回の更新(2017年度)以降のサステナビリティの潮流変化に関する調査も実施し、経営計画2021との整合性、業界独自の課題を確認し、改めて19の重要課題を特定しました。

「社会にとっての重要性」と「アステラスにとっての重要性」の観点から、特定した社会課題に優先順位を付け、マテリアリティ・マトリックスを作成しました。

 

「社会にとっての重要性」では、国際機関・政府や、NGO、投資家、業界団体などグローバルでのステークホルダーの関心の高さや、社会課題による経済損失規模に基づいて重要度を検討しました。「アステラスにとっての重要性」では、リスクだけでなく、アステラスのケイパビリティやアセットにより課題解決に貢献できる機会の有無を含めて検討し、経営層インタビューによる経営の視点も加えて重要度を検討しました。

機関投資家、業界団体、NPO、NGOなど多様なステークホルダーから提供される情報や専門家へのインタビューにより内容を検証し、信頼性や客観性を担保しました。その後、社内の組織横断メンバーで構成される会議体(サステナビリティ コミッティ)での協議を経て、エグゼクティブ・コミッティ*における協議および取締役会での審議と承認がなされ、マテリアリティ・マトリクッスを最終化しました。

 

機関投資家、業界団体、NPO、NGOなど多様なステークホルダーから提供される情報や専門家へのインタビューにより内容を検証し、信頼性や客観性を担保しました。その後、社内の組織横断メンバーで構成される会議体(サステナビリティ コミッティ)での協議を経て、エグゼクティブ・コミッティ*における協議および取締役会での審議と承認がなされ、マテリアリティ・マトリクッスを最終化しました。

 

マテリアリティ・マトリックス更新の必要性については年1回サステナビリティ(ファンクショナルユニット)で確認しています。また、特定された最重要課題に対しては、取り組み目標と達成に向けたアクションプランを策定しています。

*アステラス製薬およびグループ会社における経営戦略、製品戦略、経営管理、人事等に関する重要事項を協議するコミッティ。

サステナビリティ向上のための2つの柱

サステナビリティ向上につながるアステラスのビジネスモデルであり、「価値」を創造し実現することによって、革新的なヘルスケアソリューションを提供します。 以下の5つのマテリアリティに対する取り組みを推進します。

Transforming to be a Cutting-Edge, VALUE-driven life science innovator 

どのような状況であっても私たちの製品を患者さんに届けるため、事業活動を強化します。以下の4つのマテリアリティに対する取り組みを推進します。

Strengthening resilient and sustainable business operations to meet the expectations of society

環境のサステナビリティ向上

環境問題に対する積極的な関与が企業に求められています。私たちは,企業活動と地球環境の調和は経営の必須条件であることを強く認識し、地球環境の改善のために主体的に行動しています。上記9つのマテリアリティに加え、以下2つの重要課題に対する取り組みを推進します。

Environmental Sustainability

2つの柱に対するアプローチ

2つの柱に関連する9つのマテリアリティおよび環境に関する重要課題に対し、アステラスが中期的に優先する項目、具体的な取り組み、 2025年度までのコミットメントを策定しました。今後これらのコミットメントに対する進捗状況をアップデートしていきます。

最重要課題 アステラスの中期優先項目 具体的な取り組み 2025年度までのコミットメント

保健医療へのアクセス

 

イノベーション実現のための人材と組織文化

 

新たなヘルスケアソリューション創出によるアンメットメディカルニーズの充足

 

革新的な治療手段による根本治療

 

価値に基づく価格設定

研究開発におけるFocus Areaアプローチにより科学の進歩を「価値」に変え、アンメットメディカルニーズの高い疾患の治療のための新しい治療法やモダリティを創出する アンメットメディカルニーズに応え、従来よりも優れたアウトカムをもたらすソリューションを提供 世界の患者さんや介護者の生活を改善し、ヘルスケアシステム全体の負担軽減に貢献する
  • アステラスが創出するイノベーションへの患者さんのアクセスを最大化し、患者さんがより良いアウトカムを得られるようにする
  • 医薬品の枠を超え、新しいヘルスケアソリューションを開発し、事業化する
  • 製品ライフサイクルを通じた包括的な医薬品アクセスプログラムを実施
  • パートナーシップやアステラス・グローバルヘルス財団によるヘルスケアシステム強化プログラムを支援
  • より多くの患者さんにアステラス製品へのアクセスを提供する
  • 疾病の認識、予防、ヘルスケアサービ スへのアクセスを改善することにより、 3,600万人以上(累計)にインパクト をもたらす
新しいモダリティの革新的な医薬品が世界の患者さんの健康に貢献し、持続可能なヘルスケアシステムを実現していくために、ステークホルダーに向けて価値に基づく価格設定をアドボケートする 革新的な医療へのアクセスを支える基盤として、価値に基づく価格設定をアドボケート 価値に基づく価格設定をアドボケートし、ヘルスケアシステムの維持に貢献する
  • アステラスにイノベーションを創出する環境を構築する
  • イノベーションを促進する文化に支えられた、適切なケイパビリティを戦略と連動させる
一人のマネジャーが管理する人数の最適化と階層の削減による組織構造のフラット化、後継者育成の強化、心理的安全性を確保し積極的なフィードバックを促す文化を醸成 イノベーションを実現するための確かなケイパビリティを持つ人材と組織文化を醸成する

最重要課題 アステラスの中期優先項目 具体的な取り組み 2025年度までのコミットメント

法令遵守と高い倫理観を持った事業活動

 

製品の品質保証と安全性

 

責任あるサプライチェーンマネジメント

 

製品の適正使用

予測不能な事態や緊急事態においても製品を継続的に供給する強靭なビジネスを維持する
  • 非常用発電の強化や太陽光パネルなどの再生可能エネルギーの自社設備への導入の検討など、エネルギー調達の強化
  • 調達先の二重化や物流拠点の分散化など、原料調達や製品供給網の強化
より持続可能で強靭なバリューチェーンを構築する
製品の品質と安全性を保つためのケイパビリティをさらに高め、患者さんにとっての価値を最大化するために顧客との相互コミュニケーションを最適化する
  • リーダー層のコミットメント、従業員への働きかけ、患者さん中心の考え方の浸透による「品質重視の文化」を醸成
  • デジタルを活用した部門横断によるオムニチャネルでの顧客対応
「品質重視の文化」を醸成し、顧客体験を向上させることによって、製品の品質と安全性を確保する

最重要課題 アステラスの中期優先項目 具体的な取り組み 2025年度までのコミットメント

環境負荷の低減

 

気候変動とエネルギー

温室効果ガス排出量をパリ協定と整合性のある目標に向け削減し、2050年までに温室効果ガス排出量のネットゼロを達成する

エネルギー効率の向上、太陽光や風力などの再生可能エネルギーへの転換

 

サプライチェーンにおける温室効果ガスの削減

以下目標*に沿った適正な量の温室効果ガス削減を2025年度までに達成する

 

*2030年度までの温室効果ガス排出量削減目標

 

  • スコープ 1+2 63%削減(基準年:2015年度)
  • スコープ 3 37.5%削減(基準年:2015年度)

サステナビリティ方針業績評価指標 (Sustainability Direction Performance Indicators; SDPIs)

私たちが創出するイノベーションは、社会のサステナビリティ向上の一端を担い、その結果、社会からの信頼を得ることでアステラスのサステナビリティ向上にも繋がると考えています。

 

企業が社会のサステナビリティ向上に貢献することへの期待は年々高まっています。アステラスは社会からの期待に応えていくことは重要であると考えており、サステナビリティ活動の業績や進捗を適切に開示していきます。

 

このコミットメントに対してサステナビリティ方針の業績評価指標(SDPIs)を設定し、測定可能かつ適切な具体的アクションを開示することで、サステナビリティ方針を着実に推進していきます。

 

原則、対象範囲はグローバルとし、冒頭に記載している期間もしくは末日時点での業績を開示

 

このSDPIsに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません:

アステラスは、アンメットメディカルニーズに応えた治療法やモダリティを創出し、世界の患者さんや介護者の生活を改善する優れたアウトカムをもたらすソリューションを提供することで、ヘルスケアシステム全体の負担軽減に貢献します。


*1 PoC:Proof of Concept/コンセプト検証(後期開発への進展の是非を判断するために臨床試験データで効果を確認すること)

 

*2 IND:Investigational New Drug/新薬の臨床試験開始届

 

*3 ブレークスルーセラピー:重篤なあるいは命にかかわる疾患に関する薬剤の開発および審査の促進を目的としたアメリカ食品医薬品(FDA)の制度

 

*4 ファスト・トラック:完治が難しい疾患に対し、高い治療効果が期待できそうな新薬を優先的に審査するアメリカ食品医薬品(FDA)の制度

 

*5 PRIME:Priority Medicines/欧州医薬品庁(EMA)が実施している、アンメットメディカルニーズを対象とする医薬品の開発支援を強化する制度

 

*6 優先審査:希少疾病用医薬品の指定を受けた医薬品の他、一定の要件に該当する医薬品について優先的に審査する制度

 

*7 先駆け審査:有効な治療法がなく命に関わる疾患に対し、革新的医薬品等を世界に先駆けて日本発で早期に実用化するために国内での開発を促進する日本の制度


アステラスは、価値に基づく価格設定をアドボケートし、持続可能なヘルスケアシステムの維持へ貢献します。

  単位 2023年度 2024年度
価値に基づく価格設定(グローバルでの活動)
価値、アフォーダビリティ*11、アクセスの課題に対応するため、価値に基づく革新的な価格設定ソリューションが導入された数 件(2023年度からの累計) 5 5
価値に基づく革新的な価格設定方法によって製品が発売された国の数(累計) カ国 2 2
価値に基づく革新的な価格設定方法を採用している製品/ブランドの数 - 2 2
価値に基づく価格設定(日本国内における活動)
経団連*12の活動を通じ、価値に基づく価格設定に関して勉強会やイベントでの講演・発表を実施した数 3 6
価値に基づく価格設定を内容に含む一般市民向けアドボカシー活動の数 8 14

アステラスは、イノベーションを実現するための確かなケイパビリティを持つ人材の確保とイノベーションを促進する組織文化を醸成します。

  単位 2023年度 2024年度
サステナビリティ関連イベント実施後にメディアで報道された件数 8 7
社長からの6階層以下の組織の割合 % 83 79
全組織のスパン・オブ・コントロール *13の平均値 - 5.9 6
社内表彰制度の従業員の利用率 % 87 92
社内表彰制度により表彰を受けた従業員の割合 % 76 88
社内表彰制度の従業員の満足度 % 今後測定予定 今後測定予定
エンゲージメントスコア - 71 69

*12 スパン・オブ・コントロール: マネジャー1人が管理する部下の人数


アステラスは、「品質重視の文化」を醸成し、患者さんのための製品の品質保証と安全性を確保します。


アステラスは、パリ協定と整合性のある温室効果ガス排出目標を定め、SBT認証を取得しています。これらに沿って2025年度までに適正な量の温室効果ガス削減目標の達成を目指します。

[2030年度までの温室効果ガス排出量削減目標]*22

スコープ1+2

63%削減(基準年:2015年度)

スコープ3

37.5%削減(基準年:2015年度)


ISO26000

アステラスは、ISOのガイドラインISO26000で取り上げられている社会的責任の中核主題や課題について、グローバル基準に基づく管理の有効性を確認しました。ISO26000は、以下の7つの中核主題について慎重に検討する必要性を示しています:組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、およびコミュニティ参画及び発展。下記のアステラスの取り組みは、このガイドラインに沿ったものです:

国連グローバル・コンパクトの支持

グローバル・コンパクトの精神をアステラスのサステナビリティの中で実践

 

アステラスは、2011年10月に国連の提唱する人権・労働基準・環境・腐敗防止に関する10原則からなる国連グローバル・コンパクトの支持を表明しました。

 

国連グローバル・コンパクトの署名は、我々の経営理念「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」を実現するために行っているアステラスの活動を裏付けるものです。グローバル・コンパクトの提唱する10原則を日々のオペレーションに組み込み、その取り組み内容を、随時報告書や弊社ホームページ等を通じて報告しています。

国連グローバル・コンパクトとは

1999年にコフィー・アナン氏(当時国連事務総長)がスイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)で提唱した持続可能な成長を実現するための世界的な枠組みであり、企業が自主的に取り組む原則です。

国連グローバル・コンパクトの10原則

ステークホルダーとのコミュニケーション

アステラスは、患者さんをはじめとする多様な方々との関わりの中で事業活動を行っています。中でも、患者さんや医療従事者、社員、株主・投資家などへ事業活動が与える影響は大きく、特に重要なステークホルダーと考えています。

アステラスの事業活動を支えるステークホルダーと真摯に向き合い、その期待と要請を理解することは、ステークホルダーからの信頼の獲得と、アステラスの企業価値の持続的向上に必要不可欠です。

そのためアステラスは、さまざまな機会を通じてステークホルダーとコミュニケーションを取っています。また、建設的な対話を促進するために、すべてのステークホルダーに対して適時・適切かつ公平に情報を開示しています。

私たちはこのような情報開示と継続的なコミュニケーションを通じて、企業としての透明性を一層高めていくとともに、社会の持続可能性向上とアステラスの企業価値の持続的向上の実践を目指しています。

アステラスグループを取り巻く主なステークホルダー


info

マルチステークホルダー方針

 

企業経営において、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要になっていることを踏まえ、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組んでまいります。

外部からのESG評価