アステラスは、Primary Focusの標的タンパク質分解誘導を通じて、がんやその他の高いアンメットメディカルニーズを有する疾患の治療を目指し、安全かつ有効な治療法の提供を加速させることに注力しています。
タンパク質分解誘導は、これまでアンドラッガブルとされてきた疾患に関連するタンパク質を標的として分解することで、多くの疾患の治療可能性を再定義できる可能性を秘めています。これは、タンパク質分解誘導剤が、体に備わる自然のタンパク質分解システムを活用する独自の仕組みと、従来の低分子化合物では阻害できない方法で三元複合体を介して、疾患関連タンパク質とに結合する能力に起因しています。
アステラスでは、標的タンパク質分解誘導のモダリティによって、世界中で最も深刻な疾患に対する治療の現状を根本から変革する可能性を信じています。当社のPrimary Focusの一つとして、標的タンパク質分解誘導への戦略的投資を強化し、研究開発を加速させています。これにより、プラットフォームによる治療可能性を実現するための適切な専門性とケイパビリティを結集しています。
タンパク質分解誘導剤には、アンドラッガブルな標的にアクセスが可能であるだけでなく、細胞膜や血液脳関門を通過できる生体バリア透過性、標的への特異性に優れているといった利点があります。当社は革新的なパートナーとともに、この新たな潜在的な治療アプローチを通じて、患者さんに有意義なインパクトを与え、大きな「価値」を提供することに尽力しています。
アステラスは、以下のケイパビリティを持っています。
当社のPrimary Focus「標的タンパク質分解誘導」におけるフラッグシッププログラムは、アステラスが独自に創製したKRAS G12D変異体を標的としたタンパク質分解誘導剤ASP3082です。ASP3082は、KRAS G12D変異体を有する固形がんを適応として、第Ⅰ相臨床試験を実施しています。前臨床試験において、従来の低分子阻害剤と比較して優れた抗がん作用を示しています。臨床試験が成功し、承認されれば、ASP3082は、ファーストインクラスの治療法となり、KRAS G12変異体を有するがん患者さんの治療パラダイムを再定義する可能性があります。
ASP3082の急速な開発進展は、アステラスのタンパク質分解誘導領域における情熱、独創性、そして技術力を示しています。この成果は、当社が持つがん治療分野における豊富な経験と伝統、独自のKRAS研究、人工知能とロボット工学のケイパビリティ、そして標的療法の開発における成功実績を、現在のパイプラインに活用することで実現しました。
標的タンパク質分解誘導のパイプラインについては、下記をご覧ください。アステラスの全パイプラインのページにはこちらからアクセスできます。
がん領域における、この複雑な次世代モダリティをさらに進化させるため、当社内の専門知識と、同分野で志を同じくする野心的なイノベーターとの連携を強化することを目指しています。具体的には、新たなタンパク質標的分子とE3バインダーの探索・開発を推進する当社の取り組みを補完する戦略的パートナーシップを追求しています。また、細胞耐性や腫瘍再発といった課題の理解を深め、次世代の誘導近接技術の開発を加速し、これらの革新的な治療法の迅速な開発と患者への提供を可能にするためのインフラ整備を支援することを目指しています。
アステラス製薬とのコラボレーションの詳細については、パートナリングページをご覧ください
アステラスは、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えるという使命を果たすため、最先端の科学と世界のトップを走る人たちを組み合わせられるよう努めています。当社の採用情報ページにアクセスして、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えるための、私たちの取り組みに参加する方法についてご覧ください。