ペイシェントインサイト・ソリューション (PInS)チームは、患者さんのデータを収集、分析して、実際の医療現場での患者さんの動態を深く理解し、後期段階の開発と製品化に携わるチームを支援するための改善策を提案します。PInSチームは、患者さん、介護者、医療従事者と直接連携し、治療に影響を与える社会的・感情的な要因を明らかにして患者さんのニーズに対応し、さらに最適な結果を得るために障壁となる課題に対応します。チームの連携により、開発中、あるいは承認後の医薬品に関連する取り組みが患者さんのニーズに合わせて調整されます。
PInSチームは、患者さん、介護者、医療従事者と直接連携して、治療に影響を与える医学的、社会的、対人的、感情的な要因を深く理解します。
その結果、得られた知見により、チームは障壁となる課題を特定して患者さんの健康転帰を最適化し、さらにアステラスのビジネス部門全体の同僚たちに可能性を秘めたソリューションを推奨することができます。
PInSチームには、定性的、定量的リサーチ、顧客体験、健康転帰の各分野における専門知識、多様な経歴を持つメンバーが揃っています。各プロジェクトは、社内のプロジェクトチームが必要とするサポートのレベルとタイプに合わせて別々に調整されており、以下はその一例です。
PInSチームは、社内の他チームと協力して、同僚に以下の支援をします。
課題: 膀胱がんは毎年21万2000人の命を奪っているにも関わらず1、その認知度は依然として低く、患者さんと介護者は深刻な偏見とメンタルヘルスの課題に直面しています。
プロジェクト:膀胱がんについてさらに詳しく知るため、アステラスの同僚はPInSチームと連携し、膀胱がんに罹患した患者さんと介護者を対象に調査とインタビューを行いました。
その結果を、エビデンスに基づきペイシェントインサイトレポートにまとめ、疾患啓発と意識向上キャンペーンの基盤を築き、その疾患が人々の生活に与える影響を明らかにしました。
この研究では、膀胱がんコミュニティの患者さんと介護者が、社会から偏見を受けているという自意識に悩み、しばしばこれと関連して起こるメンタルヘルスの課題に直面していることが確認されました。また、介護者も孤独に苦しんでいることが、この研究で明らかになりました。
結果: この研究により、アステラスのプロジェクトチームは、膀胱がんが患者さんや介護者に及ぼす影響を実証できました。チームは調査結果を患者団体や社会に共有し、この研究の成果として、介護者コミュニティのアンメットニーズに対応する膀胱がん介護者ハンドブックを作成しています。
Reference
1Bilim V, Kuroki H, Shirono Y, Murata M, Hiruma K, Tomita Y. Advanced Bladder Cancer: Changing the Treatment Landscape. J Pers Med 2022;12(10):1745.